こんにちは。Johnです。
「最近、魚がいない」「全然釣れない」といった声は、今やどこの釣り場でも当たり前のように聞かれるようになっています。
しかし、その直後に続くのは決まって「温暖化のせいだ」「黒潮がおかしい」「中国船が乱獲している」「マグロやクジラが食べすぎている」といった外的要因の話ばかりであり、「なぜ魚が減ったのか」「我々日本人は何をしてきたのか」といった本質的な部分に踏み込む話はほとんど出てきません。
魚が減っているという現実は誰もが感じているにもかかわらず、その原因を理解しようとせず、対策を考えようともしないまま、ただ文句だけが繰り返されているのが現在の状況です。
なぜこのような状態になるのかというと、人は目の前の結果には強く反応する一方で、その結果を生み出した原因については驚くほど無関心であり、特に水産資源のように時間をかけてゆっくり変化するものに対しては、自分の行動との因果関係をほとんど認識できないからです。


ライトゲームで人気のアジや、みんな大好きなタチウオもここまで数を減らしています。
昨日釣れなかったことには不満を持ちますが、その背景にある「数十年前から続いてきた未成熟魚の漁獲」や「過剰漁獲」「産卵個体の減少」といった長期的な要因には意識が向きません。
つまり、目の前の釣果と過去の行動がつながって見えないため、自分が資源減少の要因一部であるという認識が生まれにくいのです。
さらに、日本では原因を外部に求めることが容易であり、それが思考停止を助長しています。
テレビから聞こえてくる温暖化や海流の変化、外国船による乱獲、大型捕食者の増加といった要因は確かに一定の影響を持ちますが、それらを主因として捉えてしまうと、自分たちの行動や国内の資源管理の問題を見なくて済みます。
責任を外に置いてしまえば、自分は何も変える必要がなくなり、その状態が繰り返されることで問題は固定化されていきます。
では、なぜ魚が減るのかという点については、原因は極めて単純なであり、特別な理論が必要な話ではありません。
魚は繁殖して初めて次の世代を残すことができますが、その繁殖を行う前(未成熟段階)に漁獲されてしまえば、その個体は一度も子孫を残すことなく消えることになります。
この状態が続くことで、将来的に親魚の数が減少し、全体の産卵量が少なくなり、そこから生まれてくる稚魚が減り、結果として資源全体が縮小していきます。
一言で言えば乱獲ですが、最も資源に悪影響を与える「成長乱獲」の状態であり、日本の多くの魚種でこの構造が長期間続いてきたことが、現在の資源減少の直接的な原因です。

そして重要なのは、この成長乱獲を引き起こしてきた犯人が誰なのかという点です。
それは特別な誰かではなく、小アジをキープする釣り人であり、稚魚や若魚を漁獲する漁師であり、シラス丼を疑問を持たず食べてきた私たち日本人自身であるという事実を、まず正しく理解する必要があります。
たくさん釣りたい、大きな魚を釣りたいと考えている釣り人は非常に多いはずです。
しかし実際に行われている行動を見ると、新しいロッドやリール、ルアー、仕掛けを購入するといった「釣るための道具」ばかりに意識が向けられ、本当に効果があるはずの「海の魚を増やす行動」や「小さな魚を守る行動」にはほとんど目が向けられていません。
魚が減って釣りの難易度が上がり、消費者が無知・無関心であることは、何がなんでも自社製品を売りたい釣具メーカーには都合の良い状況と言えるかもしれません。
小さい魚を持ち帰らない、産卵期の個体を守る、資源が回復する行動を選ぶといった当たり前のことが後回しにされ、結果として日本の魚は減り続けてます。
たくさん釣りたいと願いながら、その前提となる資源を減らす行動を自ら続けているのであれば、それは明らかに矛盾しています。
この状況をおかしいと思わない限り、日本の海は何も変わりません。
一方で、世界の水産資源が日本のように減り続けていない理由は明確であり、それは「減る原因をそのまま放置していない」からです。
日本のように温暖化、中国船による乱獲、クジラ、黒潮大蛇行などに責任転嫁せず、自国の失敗を認め一般的な対策を行なっているからです。
未成熟魚の保護、漁獲量の制限、資源が減少した場合の操業停止と回復計画の実施、フィッシングライセンスの導入といった基本的な管理を徹底することで、再生産能力を上回る過剰漁獲を防いでいます。

完全な右肩上がりの世界の漁業生産量(天然・養殖)に対して、完璧な右肩下がりを見せる日本。
これは特別なことではなく、魚が増える条件を漁師及び釣り人が守っているだけであり、その結果として資源が維持されているに過ぎません。
これが数十年前から世界で行われている水産資源管理です。

では、その結果として何が起きるのか。
実際に管理が機能している海では、魚の数が維持されるだけでなく、サイズ規制やTAC(漁獲枠)により大型の個体が残る状態が当たり前になります。
産卵を終えた魚が海に残り続けることで、群れ全体のサイズ構成が崩れず、大きな魚が普通に存在する環境が維持されるからです。
日本にもTACは存在しますが、科学的根拠に基づかない運用が行われ、今もなお獲り尽くし型の漁業が続いています。
日本は世界でも有数の恵まれた海を持つ国であるにもかかわらず、釣り人が海外へ魚を釣りに行くのは、この違いがはっきりと現れているからに他なりません。
つまり「釣れるから海外に行く」のではなく、「魚が守られて釣れる状態が維持されているから海外へ行く」というのが正しい理解です。
「釣れない」「魚がいない」と文句を言うだけであれば、幼稚園児でもできます。
しかし問題は、その先に何をするかです。
では魚はなぜ減ってしまったのか、どうすれば釣れるようになるのか、どうすれば魚が豊かな海を取り戻せるのか、その問いに向き合い、具体的な行動に移さなければ、現実は何も変わりません。
小さい魚(未成熟魚)を持ち帰らない、成魚のキープは最低限に抑える、原因を正しく理解する、小魚を食べるのを控えるといった一つ一つの積み重ねがなければ、日本の魚は減り続けます。
あなたは文句を言うだけの釣り人でしょうか。
それとも、現実を理解し、行動を変えられる釣り人でしょうか。
魚が減った主な原因はすでに明らかであり、必要なのは新しい理論ではなく、数十年前に答えの出ている「成長乱獲」と言う事実を直視し、受け入れる事です。
考えずに釣りを続けるか、理解して変えるか、その違いがそのまま未来の釣り場の姿を決めることになります。
それではまた。





「最近、魚がいない」「全然釣れない」といった声は、今やどこの釣り場でも当たり前のように聞かれるようになっています。
しかし、その直後に続くのは決まって「温暖化のせいだ」「黒潮がおかしい」「中国船が乱獲している」「マグロやクジラが食べすぎている」といった外的要因の話ばかりであり、「なぜ魚が減ったのか」「我々日本人は何をしてきたのか」といった本質的な部分に踏み込む話はほとんど出てきません。
魚が減っているという現実は誰もが感じているにもかかわらず、その原因を理解しようとせず、対策を考えようともしないまま、ただ文句だけが繰り返されているのが現在の状況です。
要約
- 魚が減っている原因を考えないまま文句だけ言う釣り人が多い
- 本質的な原因は成長乱獲であり主体は自分たち
- 道具ばかり買い行動を変えない矛盾がある
- 海外は守ることで釣れる状態を維持している
- 行動を変えなければ何も変わらない
目次
なぜ魚が減るのか
なぜこのような状態になるのかというと、人は目の前の結果には強く反応する一方で、その結果を生み出した原因については驚くほど無関心であり、特に水産資源のように時間をかけてゆっくり変化するものに対しては、自分の行動との因果関係をほとんど認識できないからです。

ライトゲームで人気のアジや、みんな大好きなタチウオもここまで数を減らしています。
昨日釣れなかったことには不満を持ちますが、その背景にある「数十年前から続いてきた未成熟魚の漁獲」や「過剰漁獲」「産卵個体の減少」といった長期的な要因には意識が向きません。
つまり、目の前の釣果と過去の行動がつながって見えないため、自分が資源減少の要因一部であるという認識が生まれにくいのです。
さらに、日本では原因を外部に求めることが容易であり、それが思考停止を助長しています。
テレビから聞こえてくる温暖化や海流の変化、外国船による乱獲、大型捕食者の増加といった要因は確かに一定の影響を持ちますが、それらを主因として捉えてしまうと、自分たちの行動や国内の資源管理の問題を見なくて済みます。
責任を外に置いてしまえば、自分は何も変える必要がなくなり、その状態が繰り返されることで問題は固定化されていきます。
では、なぜ魚が減るのかという点については、原因は極めて単純なであり、特別な理論が必要な話ではありません。
魚は繁殖して初めて次の世代を残すことができますが、その繁殖を行う前(未成熟段階)に漁獲されてしまえば、その個体は一度も子孫を残すことなく消えることになります。
この状態が続くことで、将来的に親魚の数が減少し、全体の産卵量が少なくなり、そこから生まれてくる稚魚が減り、結果として資源全体が縮小していきます。
一言で言えば乱獲ですが、最も資源に悪影響を与える「成長乱獲」の状態であり、日本の多くの魚種でこの構造が長期間続いてきたことが、現在の資源減少の直接的な原因です。

そして重要なのは、この成長乱獲を引き起こしてきた犯人が誰なのかという点です。
それは特別な誰かではなく、小アジをキープする釣り人であり、稚魚や若魚を漁獲する漁師であり、シラス丼を疑問を持たず食べてきた私たち日本人自身であるという事実を、まず正しく理解する必要があります。
なぜ釣れないのに何も変えないのか
たくさん釣りたい、大きな魚を釣りたいと考えている釣り人は非常に多いはずです。しかし実際に行われている行動を見ると、新しいロッドやリール、ルアー、仕掛けを購入するといった「釣るための道具」ばかりに意識が向けられ、本当に効果があるはずの「海の魚を増やす行動」や「小さな魚を守る行動」にはほとんど目が向けられていません。
魚が減って釣りの難易度が上がり、消費者が無知・無関心であることは、何がなんでも自社製品を売りたい釣具メーカーには都合の良い状況と言えるかもしれません。
小さい魚を持ち帰らない、産卵期の個体を守る、資源が回復する行動を選ぶといった当たり前のことが後回しにされ、結果として日本の魚は減り続けてます。
たくさん釣りたいと願いながら、その前提となる資源を減らす行動を自ら続けているのであれば、それは明らかに矛盾しています。
この状況をおかしいと思わない限り、日本の海は何も変わりません。
なぜ海外では釣れるのか
一方で、世界の水産資源が日本のように減り続けていない理由は明確であり、それは「減る原因をそのまま放置していない」からです。日本のように温暖化、中国船による乱獲、クジラ、黒潮大蛇行などに責任転嫁せず、自国の失敗を認め一般的な対策を行なっているからです。
未成熟魚の保護、漁獲量の制限、資源が減少した場合の操業停止と回復計画の実施、フィッシングライセンスの導入といった基本的な管理を徹底することで、再生産能力を上回る過剰漁獲を防いでいます。

完全な右肩上がりの世界の漁業生産量(天然・養殖)に対して、完璧な右肩下がりを見せる日本。
これは特別なことではなく、魚が増える条件を漁師及び釣り人が守っているだけであり、その結果として資源が維持されているに過ぎません。
これが数十年前から世界で行われている水産資源管理です。

では、その結果として何が起きるのか。
実際に管理が機能している海では、魚の数が維持されるだけでなく、サイズ規制やTAC(漁獲枠)により大型の個体が残る状態が当たり前になります。
産卵を終えた魚が海に残り続けることで、群れ全体のサイズ構成が崩れず、大きな魚が普通に存在する環境が維持されるからです。
日本にもTACは存在しますが、科学的根拠に基づかない運用が行われ、今もなお獲り尽くし型の漁業が続いています。
日本は世界でも有数の恵まれた海を持つ国であるにもかかわらず、釣り人が海外へ魚を釣りに行くのは、この違いがはっきりと現れているからに他なりません。
つまり「釣れるから海外に行く」のではなく、「魚が守られて釣れる状態が維持されているから海外へ行く」というのが正しい理解です。
ではどうするか
「釣れない」「魚がいない」と文句を言うだけであれば、幼稚園児でもできます。しかし問題は、その先に何をするかです。
では魚はなぜ減ってしまったのか、どうすれば釣れるようになるのか、どうすれば魚が豊かな海を取り戻せるのか、その問いに向き合い、具体的な行動に移さなければ、現実は何も変わりません。
小さい魚(未成熟魚)を持ち帰らない、成魚のキープは最低限に抑える、原因を正しく理解する、小魚を食べるのを控えるといった一つ一つの積み重ねがなければ、日本の魚は減り続けます。
あなたは文句を言うだけの釣り人でしょうか。
それとも、現実を理解し、行動を変えられる釣り人でしょうか。
魚が減った主な原因はすでに明らかであり、必要なのは新しい理論ではなく、数十年前に答えの出ている「成長乱獲」と言う事実を直視し、受け入れる事です。
考えずに釣りを続けるか、理解して変えるか、その違いがそのまま未来の釣り場の姿を決めることになります。
出典
- FAO(Food and Agriculture Organization)
- 農林水産省 水産白書
- 水産資源管理(成長乱獲・成熟理論)
それではまた。


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