こんにちは。Johnです。

EU はウナギ属16種をワシントン条約(CITES)付属書Ⅱへ掲載する提案を行っています。
日本政府はこの案に反対し、「ニホンウナギは絶滅の恐れはなく、資源は十分に確保されている」と主張しています。
しかし、この主張は一次資料や統計と一致しておらず、科学的根拠に基づく説明とは言えません。
ここでは、日本側の主張ごとに問題点を整理し、データに基づいて反論を示します。
この主張は、国内外の公式評価と完全に矛盾しています。
科学的評価において、日本政府の主張は事実と反します。
ウナギ資源の基礎を決定するのは、稚魚(シラスウナギ)の採捕量です。
日本の養殖ウナギのほぼすべては天然シラスウナギに依存しているため、この稚魚量こそが最も重要な資源指標です。
実際の推移は以下の通りです。
この数字を前にして「資源は確保されている」という説明は成立しません。
FAO 専門家パネルは「資源減少基準に単体では合致しない」と評価しましたが、これは「資源が健全」という意味ではありません。
正確には、
「FAOが日本の主張を支持した」という水産庁の説明は、原文の趣旨を正しく反映したものではありません。
国際的に問題とされているのは「生息域」ではなく「流通ルート」です。EU や TRAFFIC の調査では、
DNA 鑑定は可能でも、現場(港湾・税関)で全ロットを即時検査することは不可能であり、執行現場の実態を考慮すれば、日本の主張は現実的ではありません。
CITES 付属書の判断基準には「経済的理由」は含まれていません。判断に用いられるのは、
価格上昇は国内事情であり、国際的な保全判断の基準には入りません。
この理由で反対するのは制度上の論点になりません。

付属書Ⅱは「国際取引禁止」ではありません。
輸出国政府が「合法に採捕された個体である」、「該当種の存続に影響を与えない科学的根拠」という証明書を発行することで取引が可能になる制度です。
掲載されると、
逆に言えば、ウナギの最大消費国である日本は、これらの問題を長年放置してきた無責任な国という事になります。
2025年12月からシラスウナギのトレーサビリティ制度が導入されることもあり、日本が抱える不透明な流通の問題を正面から改善できる貴重な機会になります。
シラスウナギ採捕量は、推計ピーク約207トンから2024年は7.1トンへと落ち込み、96%以上の激減を見せています。
これは資源崩壊と呼んで差し支えない深刻な状況です。
完全養殖の商業化が目前に迫っているとはいえ、天然資源がこれ以上減少すれば、持ちこたえられません。
だからこそ、いまこそ日本は、科学的根拠に基づく厳格な資源管理を導入し、必要であれば期間限定の禁漁も含めて実行すべきです。
この機会を逃せば、ウナギ資源を自らの手で守る最後のチャンスを失います。
未来の世代にもウナギを残すために、日本は現実を直視し、実効的な管理を開始する必要があります。
それではまた。






EU はウナギ属16種をワシントン条約(CITES)付属書Ⅱへ掲載する提案を行っています。
日本政府はこの案に反対し、「ニホンウナギは絶滅の恐れはなく、資源は十分に確保されている」と主張しています。
しかし、この主張は一次資料や統計と一致しておらず、科学的根拠に基づく説明とは言えません。
ここでは、日本側の主張ごとに問題点を整理し、データに基づいて反論を示します。
要約
・日本政府の主張は IUCN・環境省の公式評価と一致していません。
・シラスウナギ採捕量は推計207トンから7.1トンへと激減しています。
・FAO 評価は「安全」を意味せず、日本の主張を支持していません。
・偽装・違法取引の問題が国際的に確認されています。
・付属書Ⅱ掲載は取引禁止ではなく、流通透明化の強力な手段です。
・日本は科学的根拠に基づく資源管理を急ぐ必要があります。
目次
- 日本の主張①「ニホンウナギは絶滅の恐れはない」に対する反論
- 日本の主張②「資源は十分に確保されている」に対する反論
- 日本の主張③「FAOが日本の主張を支持している」に対する反論
- 日本の主張④「ヨーロッパウナギとは生息域が違うので混同しない」に対する反論
- 日本の主張⑤「価格が上がるから反対」に対する反論
- 付属書Ⅱ掲載で何が変わるのか──制度の実際
- 結論──この機会にこそ日本は資源管理を徹底すべきです
日本の主張①「ニホンウナギは絶滅の恐れはない」に対する反論
この主張は、国内外の公式評価と完全に矛盾しています。
- IUCN レッドリスト:絶滅危惧 EN(Endangered)
- 環境省レッドリスト:絶滅危惧 IB 類
科学的評価において、日本政府の主張は事実と反します。
日本の主張②「資源は十分に確保されている」に対する反論
ウナギ資源の基礎を決定するのは、稚魚(シラスウナギ)の採捕量です。日本の養殖ウナギのほぼすべては天然シラスウナギに依存しているため、この稚魚量こそが最も重要な資源指標です。
実際の推移は以下の通りです。
- 推計ピーク(1957年):207トン
- 2024漁期(水産庁公式):7.1トン
この数字を前にして「資源は確保されている」という説明は成立しません。
日本の主張③「FAOが日本の主張を支持している」に対する反論
FAO 専門家パネルは「資源減少基準に単体では合致しない」と評価しましたが、これは「資源が健全」という意味ではありません。正確には、
- データが不十分で不確実性が大きい
- 基準への適合判断が困難である
「FAOが日本の主張を支持した」という水産庁の説明は、原文の趣旨を正しく反映したものではありません。
日本の主張④「ヨーロッパウナギとは生息域が違うので混同しない」に対する反論
国際的に問題とされているのは「生息域」ではなく「流通ルート」です。EU や TRAFFIC の調査では、
- ヨーロッパウナギが他種に偽装されてアジアに流入
- 国際的な違法取引の中核が“偽装”である
DNA 鑑定は可能でも、現場(港湾・税関)で全ロットを即時検査することは不可能であり、執行現場の実態を考慮すれば、日本の主張は現実的ではありません。
日本の主張⑤「価格が上がるから反対」に対する反論
CITES 付属書の判断基準には「経済的理由」は含まれていません。判断に用いられるのは、
- 絶滅リスクの有無
- 類似種による取引混乱リック
価格上昇は国内事情であり、国際的な保全判断の基準には入りません。
この理由で反対するのは制度上の論点になりません。
付属書Ⅱ掲載で何が変わるのか──制度の実際

付属書Ⅱは「国際取引禁止」ではありません。
輸出国政府が「合法に採捕された個体である」、「該当種の存続に影響を与えない科学的根拠」という証明書を発行することで取引が可能になる制度です。
掲載されると、
- 密猟・密輸の国際ルートが遮断される
- シラスウナギの池入れ量と流通量の不一致が是正される
- 反社会勢力が関与してきた闇買い・闇流通が抑制される
- 国内流通が初めて“透明化”される
逆に言えば、ウナギの最大消費国である日本は、これらの問題を長年放置してきた無責任な国という事になります。
2025年12月からシラスウナギのトレーサビリティ制度が導入されることもあり、日本が抱える不透明な流通の問題を正面から改善できる貴重な機会になります。
結論──この機会にこそ日本は資源管理を徹底すべきです
シラスウナギ採捕量は、推計ピーク約207トンから2024年は7.1トンへと落ち込み、96%以上の激減を見せています。これは資源崩壊と呼んで差し支えない深刻な状況です。
完全養殖の商業化が目前に迫っているとはいえ、天然資源がこれ以上減少すれば、持ちこたえられません。
だからこそ、いまこそ日本は、科学的根拠に基づく厳格な資源管理を導入し、必要であれば期間限定の禁漁も含めて実行すべきです。
この機会を逃せば、ウナギ資源を自らの手で守る最後のチャンスを失います。
未来の世代にもウナギを残すために、日本は現実を直視し、実効的な管理を開始する必要があります。
出典
- IUCN Red List: Anguilla japonica – Endangered
- 環境省レッドリスト(絶滅危惧 IB 類)
- 水産庁「令和5漁期 ガラスウナギ採捕量」公開データ(5.6トン)
- 1960〜70年代のシラスウナギ推計採捕量に関する複数学術論文(約200トン)
- FAO CITES Expert Panel 文書
- EU・TRAFFIC 国際違法取引レポート
それではまた。


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