こんにちは。Johnです。

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ここ数十年、日本の海では確実に魚が減っています。

1980年代に約1,200万トンあった日本の水揚げ量は、2024年には約360万トンまで落ち込みました。

一方、世界の水揚げ量は毎年増え続けています。

これは漁業者の減少、温暖化だけでは説明できません。

日本の魚の数そのものが減少し、資源そのものが衰退しています。

その結果、沿岸の釣りでも年々魚影が薄くなり、魚を釣ること自体が難しくなっています。

しかし、こうした現実を前にしても、その原因を深く考えようとしない釣り人が多いのも事実です。

「昔はよく釣れたのに」「最近は魚がいない」と嘆く声は多く聞かれますが、なぜ魚が減ったのかを調べようとする人は、驚くほど少ないのです。

本来なら、釣りを愛する者こそが海の変化に敏感であるべきです。

ところが現実には、原因を知らず、努力もせず、ただ文句を言うだけの釣り人が少なくありません。

その無関心こそが、資源の減少を食い止められない一因になっているのです。



要約

  • 日本の漁獲量は1980年代の約1,200万トンから現在は約360万トンまで減少。
  • 海外では科学的資源管理で大型魚が釣れる環境を維持。
  • 魚を増やすには未成熟個体を獲らず、成熟魚を残すこと。
  • 日本では教育水準が高いのに“獲り尽くす文化”が残っている。
  • 釣り人の意識変化こそが資源回復の鍵。



目次



海外ではなぜ大型魚が釣れるのか

海外の釣り映像を見ると、驚くほど大きな魚が次々と釣り上げられます。

ノルウェーでは10kgを超えるタラやヒラメ(オヒョウ)、オーストラリアでは大型のスナッパー(マダイ類)、アメリカでは巨大なレッドフィッシュやブラックバスが当たり前のように釣れます。

それは単に海が豊かだからではなく、資源管理を徹底しているからです。

各国は漁業法に基づき、魚種ごとに明確なサイズ制限・禁漁期・漁獲枠(TAC・IQ制度)を設けています。

つまり「魚が繁殖を終えるまで獲らない」というルールが社会に根づいているのです。

一方で日本は、世界でも有数の豊かな海を持ちながら、水産物の約6割を輸入に頼る国になってしまいました。

日本の排他的経済水域(EEZ)は世界第6位の広さ(約447万平方km)を誇ります。

それにもかかわらず、総水産生産量(天然+養殖)では、EEZ面積が日本の1割しかない韓国にすら抜かれています。

理由は明確です。

日本では「繁殖個体を残す」という最も基本的な管理が徹底されていないからです。

成長途中の魚を根こそぎ獲り、翌年に産卵するはずだった魚をこの世から消してしまう。

その結果、漁業も釣りもどんどん難しくなっているのです。

日本近海は本来、黒潮と親潮がぶつかる世界有数の生産性の高い海域です。

それなのに「魚がいない」と言われるのは、自然の問題ではなく人の管理の問題なのです。



繁殖個体を増やすという当たり前の話

魚を増やす方法は、本来とても単純です。

大人になれる魚(成熟個体)及び、産卵可能な魚を増やすこと。

そして、大人になれる魚を増やすには、稚魚や若い魚(未成熟個体)を獲らずに成長を見守ること。

それだけのことです。

しかし、残念ながら多くの釣り人はこの当たり前の原理に無関心です。

釣り上げた魚をすべて持ち帰ることを当然の権利と考え、成長途中の個体を逃がすという発想さえ持たない人も少なくありません。

その結果、海では成熟個体が減り続け、魚は年々釣れなくなり、釣れてもサイズがどんどん小さくなっています。

日本人の多くは義務教育を受け、高校や大学まで進学する、世界的に見ても恵まれた教育環境にあります。

それほど学びの機会を与えられながら、自然の再生産という最も基本的な仕組みを理解せず、野蛮な“獲り尽くし”を続けている。

それが本当に、先進国の人間の姿と言えるのでしょうか。

釣りを愛する私たち自身が、この問いに正面から向き合う時期に来ていると思います。



釣り人が変われば、海も変わる



魚が減った原因は、自然ではなく人間です。

そして、その流れを変えられるのもまた人間です。

釣り人一人ひとりが「繁殖できる魚を残す」という意識を持てば、海は確実に回復します。

成熟前の個体をリリースし、釣り場を汚さず、必要以上に魚を持ち帰らない。

それだけで、海の再生産力は少しずつ戻っていきます。

ノルウェー、オーストラリア、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、アイスランドなど多くの国々では、1980〜1990年代の段階で、すでに科学的な資源管理に本格的に取り組み始めました。

漁獲枠(TAC)制度、個別割当(IQ・ITQ)、禁漁期、リリースサイズ制限などを整備し、漁業と釣りの両面から「繁殖個体を守る文化」を根づかせてきたのです。

その結果、これらの国々では資源が安定し、大型魚が当たり前に釣れる豊かな海を維持できています。

つまり、海を豊かにするには“自然任せ”ではなく“人の行動を変える”しかないということを、彼らはすでに40年かけて証明してきたのです。

魚を守るということは、釣りを守るということです。

私たちが今できる小さな行動が、未来の海を変える力になることを、忘れてはいけません。

そのために、私はリリースサイズとキープサイズの科学的根拠に基づく基準を作成しました。

魚種ごとに成熟率や産卵サイズを調べ、成長乱獲を防ぐための明確な目安を定めています。

少しでも多くの釣り人が「資源を守りながら釣りを楽しむ」という考え方に変わっていけば、日本の海もまだ取り戻せると信じています。





出典

  • 水産庁「漁業・養殖業生産統計(2024)」
  • FAO The State of World Fisheries and Aquaculture 2024
  • 海上保安庁「日本の排他的経済水域(EEZ)」
  • KOSIS(韓国統計庁)“Fishery production 2023”
  • ノルウェー漁業省/Visit Norway「Atlantic Halibut Fishing」
  • Australian Fisheries Management Authority「Snapper regulations」
  • NOAA Fisheries「Red Drum & Largemouth Bass management」
  • Iceland Directorate of Fisheries「ITQ System since 1984」
  • New Zealand MPI「Quota Management System (QMS) 1986」
  • Fisheries and Oceans Canada「Integrated Fisheries Management Plan」
※本記事は信頼できる一次資料をもとに調査・構成され、2025年にChatGPTのサポートによって作成されました。



それではまた。





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