こんにちは。Johnです。

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ブリはよく釣れるうえに美味しい魚。

釣れれば嬉しくて、そのままキープしたくなりますが、「その一尾、本当に持ち帰っていいサイズですか?」と、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。

この記事では、ブリの釣れる時期や産卵期、成熟サイズのデータをもとに、リリースすべきサイズとキープしてよいサイズの科学的な境界線を明らかにします。



目次



ブリが釣れる時期とサイズ帯

ブリは日本全国で釣られる回遊魚ですが、釣れる時期やサイズには地域差があります。
  • 太平洋側(関東〜九州):晩秋〜初冬(10〜12月)にかけて接岸。ジギング・泳がせのハイシーズン
  • 瀬戸内海:秋〜冬(10〜1月)がピーク
  • 北海道・東北:夏〜初秋(6〜9月)にかけて青物シーズン
  • 養殖エリア:逃げた個体が通年釣れることもあり
この時期に釣れるのは、主に60〜70cm台のワラサ・メジロサイズです。

脂が乗って美味しいため人気がありますが、このサイズの魚が本当にキープしてよい個体なのかは、資源管理の視点から再考する必要があります。



60〜70cm台のブリは、産卵前の個体かもしれない

ブリの産卵期は地域によって異なりますが、おおむね春〜初夏(4〜6月)です。
  • 沖縄・九州:3〜5月
  • 瀬戸内海〜本州太平洋側:4〜6月
  • 北海道:5〜7月
一方で、ブリの釣りシーズンは主に秋〜冬。

つまり、この時期に釣れる60〜70cm台のブリは、翌年春に初めて産卵する“未成熟個体”である可能性が高いのです。

こうした魚を持ち帰ることは、その魚が残すはずだった次世代すべてを奪ってしまうことになります。

なお、ブリは出世魚としても知られ、地域によって成長段階の呼び名が異なります。
  • 関東:ワカシ(〜40cm)/イナダ(40〜60cm)/ワラサ(60〜80cm)/ブリ(80cm以上)
  • 関西:ツバス(〜40cm)/ハマチ(40〜60cm)/メジロ(60〜80cm)/ブリ(80cm以上)
これらの呼び名は、釣り人にとっての感覚的なサイズ基準としても親しまれており、成熟サイズを考えるうえでも参考になる目安です。



なぜ成熟割合が重要なのか──一度の産卵で資源はつながる

魚を資源として持続させるには、「その魚が一度でも産卵を終えているか」が極めて重要です。

なぜなら、産卵を経験した魚が産んだ何万もの卵のうち、たとえ1匹か2匹でも生き残って成魚になれば、その魚の命は“資源として次につながっていく”からです。

しかし、未成熟のまま釣られてしまった魚は、一匹の子どもも残せずに資源から“完全に消える”ことになります。

だからこそ、「成熟しているかどうか」はキープかリリースかを判断するうえで最も重要な基準となるのです。



サイズ別・成熟割合の目安

※本記事におけるサイズはすべて全長(Total Length, TL)で表記しています。学術文献では体長(Standard Length, SL)が用いられる場合もありますが、釣り人にとって分かりやすいよう換算して統一しています。

日本各地(青森・山口・長崎など)の調査をもとに、ブリの成熟割合をサイズ別にまとめると以下のようになります。

全長(cm)成熟割合(目安)説明
〜59cmほぼ0%ワカシ・ツバス〜イナダ・ハマチ。未成熟がほとんど
60〜64cm10〜30%オスに一部成熟個体が現れる
65〜69cm30〜60%オスは成熟多め、メスはまだ半数未満
70〜74cm60〜80%メスも含めて半数以上が成熟
75〜79cm80〜95%ほぼ成熟個体だが一部未成熟あり
80cm以上ほぼ100%全ての個体が繁殖経験を持つと推定



リリースとキープ、どう判断する?

サイズ判断理由
〜59cmリリースほぼすべて未成熟、繁殖経験なし
60〜74cmリリース一部成熟するが、特にメスは未成熟が多い
75〜79cm可能な限りリリース多くは成熟済みだが未成熟も混在。資源保護の観点から逃がす選択が望ましい
80cm以上キープ可能ほぼ全個体が成熟済み(繁殖済み)と考えられる


※この基準は、「一度でも産卵を経験した個体なら、その子どもが次世代を担う可能性がある」という考え方に基づいています。

特に70cm台は判断に迷いやすいサイズ帯ですが、「迷ったら逃がす」が資源を守るうえで最も確実な判断です。



成長乱獲とは──なぜ未成熟個体を獲ると資源が減るのか

ブリに限らず、魚の資源が減る最大の理由のひとつが「成長乱獲(Growth Overfishing)」です。

これは、魚が十分に成熟し、繁殖を終える前に過剰に獲ってしまうことで、資源の再生産力が低下していく状態を意味します。
  • 成熟前:次世代に子孫を残していない
  • 成熟後:次世代に子孫を残している可能性が高い
欧米やオセアニアでは、成熟サイズ未満の魚は法律でリリースが義務化されている場合も多く、資源保護の意識は高い水準で共有されています。



日本の魚がここまで減った理由──数字が語る現実

日本の漁業生産量はかつて約1200万トン(1980年代)に達していましたが、2024年の統計では約362万トンにまで落ち込みました(農林水産省「令和6年 漁業・養殖業生産統計(速報)」)。

その背景には環境変化や乱獲がありますが、特に大きいのが未成熟個体を大量に獲ってしまったことで、親魚が減りすぎた=成長乱獲の進行です。



小さな魚を逃がすことが、未来の釣りを守る

60cm台のブリは、釣れて嬉しい・食べておいしいサイズです。

けれど、その魚がまだ子どもを一匹も残していない“未成熟個体”かもしれないと知ったとき、あなたはどう判断するでしょうか?

重要なのは、なんとなく小さいから逃がす、なんとなく大きいから持ち帰る──という曖昧な感覚で判断しないことです。

本記事で示したように、サイズごとの成熟割合という科学的な根拠をもとに、

「このサイズは未成熟・未繁殖の可能性が高いから逃がす」
という判断ができれば、それは釣り人としての責任ある選択です。


釣った魚が未成熟かもしれないと感じたら逃がす。

そしてそれは、感覚ではなくデータに基づく知識として判断することができる。


今逃がした一尾が、未来の釣り場を豊かにしてくれるかもしれません。



参考文献

  • 高橋一生・原田陽一(2001)「青森県沿岸におけるブリ Seriola quinqueradiata の成熟と産卵特性」『水産増殖』49(2), 203-211
  • 山口県水産研究センター(2005)「瀬戸内海西部におけるブリの成熟状態に関する調査報告」
  • 長崎県水産試験場(1998)「対馬近海におけるブリの成熟状態」『長崎水研年報』4, 45-52
  • 農林水産省(2025)「令和6年(2024年)漁業・養殖業生産統計(速報値)」
本記事は、OpenAI ChatGPTの支援を受けて、科学的根拠と国内外のデータに基づいて構成されています。


それではまた。





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