こんにちは。Johnです。

スーパーやコンビニ、外食チェーンで手軽に買える「ウナギの蒲焼き」。

夏の風物詩として親しまれていますが、その背後にある深刻な現実を、どれだけの人が知っているでしょうか。

ニホンウナギは現在、国際自然保護連合(IUCN)から「絶滅危惧種(EN)」に指定されています。

にもかかわらず、日本では大量消費が今なお続き、釣りや販売、輸入までもが止まる気配はありません。

なぜ、絶滅の危機にある魚がここまで日常的に消費されているのか──その背景には、日本独特の構造的な問題があります。


「養殖ウナギ」は本当に持続可能なのか?

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日本では「ウナギは養殖だから問題ない」と思われがちですが、これは大きな誤解です。

現在流通している養殖ウナギのほとんどは、人工的に孵化させたものではなく、自然界で生まれた稚魚(シラスウナギ)を捕まえて育てたものです。

つまり「養殖」と言いながら、毎年大量の天然稚魚を捕獲しているのが実態であり、これは資源をむしろ枯渇させる行為です。

しかもシラスウナギは高値で取引されるため、密漁や違法輸入が横行しています。

日本では一応、漁期の制限がありますが、実際には取り放題に近い状態で、ルールはほとんど機能していません。


海外のウナギまで巻き込む日本の需要

近年、日本で消費されているウナギの多くは中国や台湾で養殖されたものです。

そこでは、日本で人気の高い「ニホンウナギ」だけでなく、「ヨーロッパウナギ」や「アメリカウナギ」までもが養殖されています。

とくにヨーロッパウナギはIUCNで「絶滅危惧種(CR)」に指定され、EUでは輸出入が原則禁止されています。

それでも、稚魚が闇ルートで中国などに持ち込まれ、日本向けに育てられた後、「安価なウナギ」として大量に輸出されています。

つまり、日本がウナギを大量に消費し続けていることこそが、世界中のウナギ資源をより一層枯渇させている最大の原因なのです。


消費者の無自覚が問題を深刻化させている

日本人のウナギ消費は長年にわたり圧倒的で、それがニホンウナギとヨーロッパウナギの激減を招いた最大の要因であることは疑いようがありません。

にもかかわらず、多くの人が「スーパーに並んでいるから大丈夫」「養殖だから安心」と誤解し、何の問題意識もなくウナギを買い続けています。

その結果、ウナギは絶滅危惧種になってもなお、大量消費され続けているのです。


すべての釣りや消費が問題なわけではない

ここまで述べてきたように、無自覚な消費が資源を追い詰めているのは事実です。

しかし一方で、すべての釣りや魚食が悪いというわけではありません。

中には、魚と真剣に向き合い、将来にわたって残していこうとする釣り人たちもいます。

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たとえば北海道のイトウや高知県のアカメなど、限られた地域にしかいない貴重な魚を釣る人々は、釣った魚をすぐにリリースし、魚体を傷つけないよう細心の注意を払っています。

濡れた手で触る、撮影は短時間で済ませるなど、彼らの行動は「釣りを通して守る」という意識に基づいています。

問題は、こうした倫理観がウナギに対してはほとんど共有されていないことです。

絶滅危惧種であるにもかかわらず、「食べるための魚」としてしか見られておらず、保全の対象として扱われていないのです。


「自分一人ぐらい」の積み重ねが、種を滅ぼす

多くの人は、「自分一人が食べたところで影響はない」と思っているかもしれません。

しかし、その“自分一人ぐらい”が何万人、何百万人と積み重なれば、種の存続すら脅かされるのです。

日本の川や海からウナギが姿を消した未来を、私たちは本当に受け入れる覚悟があるのでしょうか?

ウナギを買う前に、ウナギを釣る前に、一度立ち止まって考えてみてください。

もし私たち日本人が今のように食べ続けなければ、ヨーロッパや北米の稚魚が違法に輸出されることも、絶滅危惧種が世界中で乱獲されることもなかったはずです。

私たちの食卓の選択が、世界中のウナギの未来を左右している──その事実に、そろそろ向き合うときです。


それではまた。





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