こんにちは。Johnです。

リリースサイズの明確な基準作り。

なんとなく小さいからリリースするのではなく、科学的根拠に基づいたリリースの基準をシリーズ化していきます。

1. キジハタは、小さいうちは“メス”って知ってましたか?

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キジハタ(アコウ)は、雌性先熟(しせいせんじゅく)という特殊な性質を持つ魚です。
これは、最初はすべてメスとして成長し、ある程度大きくなるとオスに性転換するという仕組みです。 つまり、小さなキジハタは将来の「母親」たち。
それを成熟前(繁殖前)に獲ってしまうと、次の世代の魚が生まれなくなってしまうという深刻な問題につながります。

2. 産卵を始めるサイズと、釣れる時期・注意点

キジハタは、おおよそ25〜30cmで初めて産卵(初成熟)を迎えるとされていますが、このサイズ帯で産卵できる個体は全体の50%程度にすぎません。
つまり、30cm未満の多くはまだ未成熟であり、たとえ産卵経験があっても1回だけの可能性が高く、資源への貢献度は極めて小さいのです。 したがって、資源管理の観点では30cm未満の個体はすべてリリースするのが理想的です。 また、キジハタの産卵期は6〜9月頃(初夏〜秋)とされ、水温が20〜27℃前後になると活発にエサを追うため、この時期が最も釣れやすいとされています。
沿岸の浅場に集まる習性もあり、釣果が伸びる一方で、産卵直前や直後の個体は一時的に活性が落ちることもあります。 つまり、釣りの最盛期と産卵期が重なるため、持ち帰るサイズにはより慎重な配慮が必要です。
とくに産卵を控えたメスや大型オスをリリースすることで、資源への影響を抑えることができます。

3. どのサイズを持ち帰るのがベストなのか?

結論から言うと、「何度か産卵を繰り返した後に性転換したオス(35〜44cm)」を選んで持ち帰るのが最も理想的です。

これらの個体は、すでに次世代に子孫を残していると考えられるからです。 また、キジハタは、1尾のオスが複数のメスを担当する「ハーレム型」の繁殖形態をとります。
このため、大型のオスを減らしすぎると、残ったメスが産卵できないという事態にもつながります。
35〜44cm前後のオス(メス)はすでに何度も繁殖に参加しているとされ、資源に大きな影響を与えにくいため、持ち帰り対象としてはこの層が最も適しています(乱獲NGキープ1匹まで)
一方で、45cmを超える希少な大型オスは、より高い繁殖力を持つ資源の中核的存在と考えられるため、基本的にリリースすべきです
サイズ帯 性別の傾向 資源への影響度 管理上の対応
〜29cm未満 未成熟〜初成熟メス中心 極めて高い 絶対にリリースすべき
30〜34cm 成熟中のメスが中心 高い 基本的にリリースすべき
35〜44cm 性転換後のオスが多い 中(乱獲NG) 持ち帰りに最適なサイズ
45cm以上 繁殖力の高い大型オス 高い 基本的にリリースすべき

4. 放流よりも、釣り人と漁師の行動の方が効果が大きい

各地でキジハタの種苗放流も行われていますが、その生き残り率は1%程度とされています。
ほとんどの放流魚は成長する前に死んでしまい、資源に大きく貢献するとは言いがたいのが現実です。 一方、小さな魚を獲らない・繁殖を終えた個体だけを選んで獲るという行動だけで、何倍もの資源保全効果があります。
たとえば、30cm前後のキジハタは、1回の産卵で約30万〜60万粒の卵を産み、一シーズンに2〜4回ほどの産卵が可能です。
わずか1尾のメスでも、年間で60〜240万粒の卵を海に残す可能性があるのです。

5. あなたの選択が、未来の釣りを守る

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私たちができることは、とてもシンプルです。
  • 30cm未満は絶対にリリース

  • 30〜34cmも、資源保全のため基本的にリリース

  • 35〜44cmの個体を選んで持ち帰る

  • 45cm以上の個体は、基本的にリリース(資源の中核となる存在)
この小さな判断の積み重ねが、魚を増やし、釣りの未来を守る力になります。 日本は水産資源管理や釣り人へのライセンス制度の整備が、欧米諸国と比べて大きく遅れています。
だからこそ、制度に頼ることなく、私たち一人ひとりの心がけだけが、今ある魚を未来へ残す唯一の希望なのです。

6. まとめ

キジハタのように、成長とともに性別が変わる魚は、獲るサイズがとても重要です。
「釣れたから全部持ち帰る」ではなく、「未来のために選んで持ち帰る」。
その意識の差が、5年後、10年後の釣果に現れます。

※すべてのサイズ帯に共通して、リリースしても明らかに生き残れないほど弱っている個体は、やむを得ず持ち帰る判断も許されます。
ただし、それは例外的な対応であることを忘れないでください。


出典:水産研究・教育機構、日本水産学会誌、各県水産試験場公開資料などをもとに構成
本記事は、ChatGPTがこれらの科学的知見を学習し、ユーザーの指示に基づいて作成しています。



それではまた。





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