こんにちは。Johnです。
あらゆるルアーフィッシングの基礎となる「ただ巻き」。
ステディリトリーブと呼ぶ場合もあります。
今まで私が釣りを教えてきた中で、キャスティング以外では最も重視して練習してもらう部分です。
若い人はうるさく言わなくとも勝手にできるようになる人ばかりなのですが、50代からなぜか急に出来ない人が増えます(理由は不明)。
「ただ巻き」とはその名の通りリールを一定の速度で巻き続ける事を言います。
そして、ほとんどのルアーがただ巻くだけで魚を釣れるようにデザインされているのです。
世界で圧倒的な売り上げを誇り、他社の追随を許さないラパラのルアーはその代表です。

私が大好きなアジやメバルを狙うライトゲームでも、最も魚を連れて来てくれるのが「ただ巻き」です。
なぜただ巻きが基本とされているのかと言うと、それが一番釣れることが多いから、最も使用する機会が多いからです。
サッカーで言えばパスやドリブルに相当します。
一見するとリールを巻くだけなのだから簡単だろうと思われるかもしれませんが、最近教えている50代の2人は驚くほど出来ていません。
ロッドティップが動かないようにゆっくり、スローに一定速度で巻くだけなのに何度言っても出来ないのです。
なぜなのか。
私はどうして出来ないのかを考えました。
手首で回していない
腕全体でハンドルを回しているからと言うのが一つ目の理由です。
例えば、青物を釣るときに使用するようなルアーをそれなりのスピードでリトリーブする場合であれば、当然腕を使って巻く事になります。

そんな時は私だって腕を使ってグリグリ巻きます。
しかし、これだとティップはブレブレで繊細なアタリや流れの僅かな変化は感知できません。
私が行うライトゲームや夜間のシーバスを狙う時の「ただ巻き」は手首を中心に動きます。
ゆっくりと滑らかに、些細な抵抗の変化や海藻の付着、魚からのコンタクトを全力で感じようとしている時のリトリーブです。
世の中には小さな米粒に絵や文字を書く人がいるらしいですが、仮に自分がそれをするとして腕全体を動かして文字を書くでしょうか。
精度が求められる作業になるほど手首から先を正確に稼働させるはずです。
それと同じ事です。
「ただ巻き」は手首を使うと覚えておきましょう。
ハンドルノブの持ち方

もう一つの理由はハンドルノブを指先でがっちり摘んでいるからです。
私がノブをしっかり持つのは魚のアタリを感知した瞬間や、ルアーを回収する時などです。
それ以外は赤ちゃんの手を握るように、卵の殻を割らないようにとても優しく触れています。
つまり、脱力です。
この脱力は竿を持つ手にも同じ事が言えます。
力を入れるほど細かな情報は得られなくなります。
私の場合は竿を動かす時は別として、掌の上に乗せるようにロッドを保持しています。
決して掴んではいません。
例えば、腕に蚊が止まったとします。
蚊が取り付いた瞬間が感じられる場合も感じられない場合もあるかと思いますが、脱力しているからそれがわかる事があるのです。
拳を全力で握りしめたまま蚊が取り付いた事が感じられるでしょうか。
例えば、布の感触を確かめる際に力んでバキバキに硬直させた手で触るでしょうか。
優しく触った方が質感が分かりやすいはずです。
古今東西、あらゆるスポーツ、武術で脱力が重要であると伝えられているように釣りにおいても、日常生活においても非常に重要な要素です。
すなわち、釣りにおいて脱力は感度に直結するのです。
それでは、ここで私がどのようにノブを摘んでいるのか見てもらいます。
私の中でベースとなっているのが、ノブを摘まずに人差し指だけでハンドルを回転させる方法です。
指でクリクリ回すだけでティップがブレないリトリーブが可能となります。
しかし、それではアタリを感じた時にノブを探して摘むと言う動作が必要になるため、摘んでいるようで摘んでいない、触れるか触れないかギリギリの力加減でノブを保持しています。

ハンドルを回す動作をAとBに分けて考えてみましょう。
Aは押す動作になるため人差し指側に隙間が出来ています。

Bは引く動作になるため今度は親指側に隙間が出来ます。

私はこのくらい優しく、軽い力でノブを摘むと言うより支えている程度です。
写真では人差し指と親指しか仕事をしていないように見えますが、中指も触れて支えています。
常にしっかりと握ってしまうと不要な力が伝わってしまい、ロッドティップのブレに繋がります。
↑これが本当のただ巻き(スローリトリーブ)です。
ハンドルノブを握り締めず、手首から先で回転させています。
もしかすると、腕で回す、ノブをしっかり摘む以外にもただ巻きが上手くいかない理由があるのかもしれませんが、実際に2人に教えた時の事を振り返り、自分のリトリーブと比較しておそらくこれが答えだろうと言えるものに辿り着きました。
ただ巻きが苦手、ロッドティップが動いてしまう、アタリや違和感がわからない人はこの二つの点を意識して家でリールを回してみましょう。
完璧な「ただ巻き」にかなり近付けるはずです。
不完全なただ巻き
少し前にこんな事がありました。
私と、釣りを教えている50代の生徒の二人で夜の堤防の先端で釣りをしていた時の事です。
魚は水面直下に群れていました。
距離は5メートルも投げれば届きます。
ワームでは反応が悪いため、私がフライを試したところ3キャスト3キャッチの連続ヒット。

私が足を伸ばせば届く距離にいる生徒も当然目撃しています。
今はこの釣り方がベストだなと確信し、フライの仕掛けをそのまま生徒に渡して投げてゆっくり巻くように伝えました。
私は全く同じ新しいフライ仕掛けを用意します。
これで初心者でも入れ食いだろうと思いながら戻ってみると、何も釣れずアタリもないとの事でした。
もしかしてフィーバータイム終わりか?
そう思って新しいフライをキャストするとすぐさまヒットしました。

何だよ釣れるじゃないか!と連続ヒットさせる私と、一方で何も釣れない生徒。
何で?
連発しているところ見ましたよね?と尋ねると見た見たと返答。
もしかしてこの僅かな立ち位置の違いだろうか?
ところが、立ち位置を入れ替えても私は釣れますが生徒は釣れません。
そもそも、すぐ隣だから何も変わらないだろうと考えていたので、予想通りです。
リトリーブも大きな問題はないように見えます(完璧ではないですが)。
フライ仕掛けに何か問題が生じている可能性も考えてチェックしましたが、異常無し。
今度はお互いのタックルを交換して試してみると、私は問題なく釣れました。
ここまでやってなぜこの人は釣れないのか?
今考えてみても、原因があるとするならただ巻きが完璧ではなかったからだと思われます。
僅かなアタリや違和感に気付かず、ちょっとした変な動きがフライに伝わり魚から魅力的に見えなかった。
基本であり、最も魚を釣りやすい「ただ巻き」は最優先でマスターすべきだと感じた出来事でした。
たったそれだけの事でここまでの差が出ます。
つまり、ただ巻きが完璧に出来るようになるだけで魚は劇的に釣れるようになると言う事です。
どこかのアジングメーカーはただ巻きの過程を飛ばしてテンションフォールの釣りをさせようとしますが、これがパスやドリブルが出来ない人間にボレーシュートをやれと言っているようなものです。
仮にボレーシュートだけ出来たとして、その人が試合で活躍するシーンはどれほどあるのか考えてみましょう。
なぜただ巻きが基本であるのか考えてみましょう。
あなたはただ巻きがきちんと出来ていますか?
「投げて巻くだけで釣れますよ」と伝えて実際に魚が釣れる人は少数なのだと改めて感じました。
それではまた。



最後までお付合いありがとうございました。
わかりやすい記事作りが出来るよう今後も精進してまいります。
あらゆるルアーフィッシングの基礎となる「ただ巻き」。
ステディリトリーブと呼ぶ場合もあります。
今まで私が釣りを教えてきた中で、キャスティング以外では最も重視して練習してもらう部分です。
若い人はうるさく言わなくとも勝手にできるようになる人ばかりなのですが、50代からなぜか急に出来ない人が増えます(理由は不明)。
「ただ巻き」とはその名の通りリールを一定の速度で巻き続ける事を言います。
そして、ほとんどのルアーがただ巻くだけで魚を釣れるようにデザインされているのです。
世界で圧倒的な売り上げを誇り、他社の追随を許さないラパラのルアーはその代表です。

私が大好きなアジやメバルを狙うライトゲームでも、最も魚を連れて来てくれるのが「ただ巻き」です。
なぜただ巻きが基本とされているのかと言うと、それが一番釣れることが多いから、最も使用する機会が多いからです。
サッカーで言えばパスやドリブルに相当します。
一見するとリールを巻くだけなのだから簡単だろうと思われるかもしれませんが、最近教えている50代の2人は驚くほど出来ていません。
ロッドティップが動かないようにゆっくり、スローに一定速度で巻くだけなのに何度言っても出来ないのです。
なぜなのか。
私はどうして出来ないのかを考えました。
手首で回していない
腕全体でハンドルを回しているからと言うのが一つ目の理由です。
例えば、青物を釣るときに使用するようなルアーをそれなりのスピードでリトリーブする場合であれば、当然腕を使って巻く事になります。

そんな時は私だって腕を使ってグリグリ巻きます。
しかし、これだとティップはブレブレで繊細なアタリや流れの僅かな変化は感知できません。
私が行うライトゲームや夜間のシーバスを狙う時の「ただ巻き」は手首を中心に動きます。
ゆっくりと滑らかに、些細な抵抗の変化や海藻の付着、魚からのコンタクトを全力で感じようとしている時のリトリーブです。
世の中には小さな米粒に絵や文字を書く人がいるらしいですが、仮に自分がそれをするとして腕全体を動かして文字を書くでしょうか。
精度が求められる作業になるほど手首から先を正確に稼働させるはずです。
それと同じ事です。
「ただ巻き」は手首を使うと覚えておきましょう。
ハンドルノブの持ち方

もう一つの理由はハンドルノブを指先でがっちり摘んでいるからです。
私がノブをしっかり持つのは魚のアタリを感知した瞬間や、ルアーを回収する時などです。
それ以外は赤ちゃんの手を握るように、卵の殻を割らないようにとても優しく触れています。
つまり、脱力です。
この脱力は竿を持つ手にも同じ事が言えます。
力を入れるほど細かな情報は得られなくなります。
私の場合は竿を動かす時は別として、掌の上に乗せるようにロッドを保持しています。
決して掴んではいません。
例えば、腕に蚊が止まったとします。
蚊が取り付いた瞬間が感じられる場合も感じられない場合もあるかと思いますが、脱力しているからそれがわかる事があるのです。
拳を全力で握りしめたまま蚊が取り付いた事が感じられるでしょうか。
例えば、布の感触を確かめる際に力んでバキバキに硬直させた手で触るでしょうか。
優しく触った方が質感が分かりやすいはずです。
古今東西、あらゆるスポーツ、武術で脱力が重要であると伝えられているように釣りにおいても、日常生活においても非常に重要な要素です。
すなわち、釣りにおいて脱力は感度に直結するのです。
それでは、ここで私がどのようにノブを摘んでいるのか見てもらいます。
私の中でベースとなっているのが、ノブを摘まずに人差し指だけでハンドルを回転させる方法です。
指でクリクリ回すだけでティップがブレないリトリーブが可能となります。
しかし、それではアタリを感じた時にノブを探して摘むと言う動作が必要になるため、摘んでいるようで摘んでいない、触れるか触れないかギリギリの力加減でノブを保持しています。

ハンドルを回す動作をAとBに分けて考えてみましょう。
Aは押す動作になるため人差し指側に隙間が出来ています。

Bは引く動作になるため今度は親指側に隙間が出来ます。

私はこのくらい優しく、軽い力でノブを摘むと言うより支えている程度です。
写真では人差し指と親指しか仕事をしていないように見えますが、中指も触れて支えています。
常にしっかりと握ってしまうと不要な力が伝わってしまい、ロッドティップのブレに繋がります。
↑これが本当のただ巻き(スローリトリーブ)です。
ハンドルノブを握り締めず、手首から先で回転させています。
もしかすると、腕で回す、ノブをしっかり摘む以外にもただ巻きが上手くいかない理由があるのかもしれませんが、実際に2人に教えた時の事を振り返り、自分のリトリーブと比較しておそらくこれが答えだろうと言えるものに辿り着きました。
ただ巻きが苦手、ロッドティップが動いてしまう、アタリや違和感がわからない人はこの二つの点を意識して家でリールを回してみましょう。
完璧な「ただ巻き」にかなり近付けるはずです。
不完全なただ巻き
少し前にこんな事がありました。
私と、釣りを教えている50代の生徒の二人で夜の堤防の先端で釣りをしていた時の事です。
魚は水面直下に群れていました。
距離は5メートルも投げれば届きます。
ワームでは反応が悪いため、私がフライを試したところ3キャスト3キャッチの連続ヒット。

私が足を伸ばせば届く距離にいる生徒も当然目撃しています。
今はこの釣り方がベストだなと確信し、フライの仕掛けをそのまま生徒に渡して投げてゆっくり巻くように伝えました。
私は全く同じ新しいフライ仕掛けを用意します。
これで初心者でも入れ食いだろうと思いながら戻ってみると、何も釣れずアタリもないとの事でした。
もしかしてフィーバータイム終わりか?
そう思って新しいフライをキャストするとすぐさまヒットしました。

何だよ釣れるじゃないか!と連続ヒットさせる私と、一方で何も釣れない生徒。
何で?
連発しているところ見ましたよね?と尋ねると見た見たと返答。
もしかしてこの僅かな立ち位置の違いだろうか?
ところが、立ち位置を入れ替えても私は釣れますが生徒は釣れません。
そもそも、すぐ隣だから何も変わらないだろうと考えていたので、予想通りです。
リトリーブも大きな問題はないように見えます(完璧ではないですが)。
フライ仕掛けに何か問題が生じている可能性も考えてチェックしましたが、異常無し。
今度はお互いのタックルを交換して試してみると、私は問題なく釣れました。
ここまでやってなぜこの人は釣れないのか?
今考えてみても、原因があるとするならただ巻きが完璧ではなかったからだと思われます。
僅かなアタリや違和感に気付かず、ちょっとした変な動きがフライに伝わり魚から魅力的に見えなかった。
基本であり、最も魚を釣りやすい「ただ巻き」は最優先でマスターすべきだと感じた出来事でした。
たったそれだけの事でここまでの差が出ます。
つまり、ただ巻きが完璧に出来るようになるだけで魚は劇的に釣れるようになると言う事です。
どこかのアジングメーカーはただ巻きの過程を飛ばしてテンションフォールの釣りをさせようとしますが、これがパスやドリブルが出来ない人間にボレーシュートをやれと言っているようなものです。
仮にボレーシュートだけ出来たとして、その人が試合で活躍するシーンはどれほどあるのか考えてみましょう。
なぜただ巻きが基本であるのか考えてみましょう。
あなたはただ巻きがきちんと出来ていますか?
「投げて巻くだけで釣れますよ」と伝えて実際に魚が釣れる人は少数なのだと改めて感じました。
それではまた。


最後までお付合いありがとうございました。
わかりやすい記事作りが出来るよう今後も精進してまいります。
コメント