こんにちは。Johnです。
ルアーフィッシングで一般的なのはトレブルフックです。
一方、一部の人たちが好んで使用するのがシングルフック。
分かりやすい違いとしては、魚の口の中だけでなく顔周りにもフックが絡み付くように刺さるトレブルフックと、一度フッキングが決まれば伸び難くバラシが少ないシングルフックと言う感じで釣り人が求める性能に応じて使い分ける事になります。
基本的には強度を求める人がシングルフックを好んで使用する傾向にあります。
針先が3つ付いているトレブルフックと比べると針先はひとつですが、サイズを大きく出来るためフック自体が非常に強く、またフッキングに必要な力は常に針先一つ分で足ります。
そもそもなぜフックが伸びてしまうのかと言うとそれはほとんどの場合、掛かった魚が大きかったからではないのです。
フックがしっかりと貫通していない事が原因です。
バラシが多くなる理由もこの貫通が関係しています。
フックはきちんと貫通してくれないとその機能を100%発揮できません。
また最近では魚へのダメージ、釣り人への安全性を考慮してシングルフックが選ばれる事も多くなってきました。
渓流や管理釣り場のトラウトフィッシングでは主流であると言っても良いでしょう。
今回は、おそらく多くの方が実際に行っているシングルフックの作り方を解説したいと思います。
バイスやスレッド等のツールを使用せず、ハサミと必要な材料のみで作成する方法です。
シングルフックを自作するメリットとしては、コストカット、フックサイズなどの自由な調節、気軽に交換出来ることが挙げられます。
特に「トレブルフックは高いから研ぎながら長持ちさせよう」とか「ちょっと針先が甘くなってきたかな?」と言う場合に迷わず新品に交換出来る事が魚と出会う確率を上げてくれるのです。
簡単に作れて強度も十分に出るため、シングルフックデビューを考えている方の参考になれば幸いです。
材料
必要な物はたったこれだけです。
サザンバトルは沖縄の大型魚を釣るための餌釣り用の管付きフックで、最小の16号から26号まで幅広くルアーフィッシングに流用可能です。
フック形状、太さを考えるとこれほど最適なフックもないように思えます。
シーバスだけならもう少し強度を落とした真鯛用の管付きフックで良いでしょう。
今回は例として19号を使用しました。

この絶妙な内向きの角度が貫通力を高め、バラシを軽減してくれます。
余計なひねりも入っておらず、私が求めるフックの要素を全て備えた製品でした。

フッ素加工モデルとケイムラモデルは個人の好みで選ぶと良いです。
シーブレイドはアシストフック作りの定番シーハンターの名称が変更された商品です。
超巨大な魚を狙うのでない限り、例えばショアからシーバスや5キロクラスの青物を中心に狙うのであれば8号が一番使いやすいです。
まず切れるものではないので結びやすい細い号数がオススメです。
また、シーブレイド(シーハンター)にはレッドとブルーの2色が存在しますが、レッドは絡みを抑える硬めのタイプ、ブルーはしなやかなタイプとなっています。
ソリッドリングはフックのアイに相当する部分を作るために使用します。
こちらも金属を引きちぎる事はまず不可能ですから大きな物よりは小さい物の方が作成が楽です。
今回はWAOのSSサイズを使用しています(オーナーで言うところの3.5号)。

ソリッドリングが破壊されるとすれば捻れた時くらいだと思います。
その捻れに柔軟に対応してくれるアシストラインとの組み合わせが破損のリスクを抑えてくれます。
熱収縮チューブは釣り用のアイテムがお湯をかけるだけで綺麗に縮んでくれるので使いやすいです。
ドライヤーやライターで炙ると熱によりシーブレイドの強度低下の可能性がありますが、お湯は100度までと温度が安定していて無難です。
オーナーの3mmから5mmまで使ってみたところ5mmが一番使えました。
後はシーブレイドをカット出来るハサミがあれば準備完了です。
作成方法

準備が整ったらシングルフック作りに移ります。
今回はK2RP122用のフック作成です。

まずはシーブレイドを適当に引き出します。

先端を折り曲げます。
長さは適当で良いですが、3センチ程度を目安に考えてください。

ソリッドリングに通します。

ソリッドリングを摘んでシーブレイドの輪の中を通すように引っ張り出します。

こうなれば成功です。
最初は分かりにくいかもしれませんが、触っている内に「なるほど、こうするのか」と理解できると思います。

ソリッドリングから15センチ、20センチほどのところでシーブレイドをカットします。

ここで結び目がズレる事を防止する意味で短い糸に対してハーフヒッチを1回決めておきます。
PE系のラインは熱に弱いため、一気にギュッと締めるのはやめましょう。
指で摘んで少し引っ張る程度で十分です。

ハーフヒッチをしたらリングに対して糸が写真のように綺麗に左右に分かれるように軽く絞めます。
今回はシングルフック用に一方を長く、もう一方を短くしていますが、ツインフックの場合はどちらも同じように長めにしてそれぞれにフックを結べば良いです。

フックに短い方を通します。

次に長い方を反対側から通します。
シングルフックのアイの向きや位置を決める重要な作業となります。

糸を引っ張り最適だと思う位置が決まったら、ここからハーフヒッチを行います。

通常、管付きフックは外かけ結びなどを使用しますが、ソリッドリングとフックの間の無駄なスペースをなくすためにハーフヒッチのみで仕上げます。

一度だけハーフヒッチをした状態です。
再度、ソリッドリングの位置などを確認して微調整します。


私の場合はハーフヒッチを計10回行います。
また、ハーフヒッチはフックの手前側から回したり、奥側から回して交互に決めた方が仕上がりが綺麗になります。

ハーフヒッチ10回が終わりました。
プラグ用シングルフックには必須のアイの向きも完璧に仕上がっています。

ハーフヒッチを交互に行うことで結び目が一直線に並びます。

余った糸を切り落として一応完成となります。
このままでも使用可能ですが、せっかくなので解け防止と保護を兼ねてチューブを被せます。

赤い糸が見えているところは全て覆うようにチューブをカットします。
ギリギリを狙うよりは少々長くても問題はないのでスパッと切りましょう。

5mmを選ぶ事でチューブをアイ側から被せられます。
3mmや4mmだと針先から入れる事になり、難易度が高い上に指に刺さるリスクがあります。

赤い糸がしっかりとチューブ内に収まっている事を確認します。

本来はまとめて10本、20本を一度に処理出来ますが、今回は作成した1本だけをお湯を入れても大丈夫な器に入れます。

ぬるま湯ではなく、熱々のお湯を注ぐとギュッとチューブが縮みます。
熱に弱いのでは?と思った方もいると思います。
シーブレイドの耐熱温度がどのくらいなのか不明ですが、一般的なPEラインは150度前後となっています。
お湯なら100度ですから全く問題はありません。

これでシングルフックが一つ完成しました。
お湯をかけるのはまとめて行えるので一つずつ処理する必要はありません。
大量生産にも向いています。
取り付けてみる

K2RP122にセットしてみました。
取り付けしたいルアーに合わせてフックサイズを選ぶのですが、サザンバトルはサイズが豊富なので様々なルアーに対応可能です。

取り付けた際に前後のフックが絡まない事。

背中にフックが引っ掛らない事を確認しましょう。
フック同士が絡まず、背中に引っ掛らない範囲で最も大きいフックがベストセッティングとなります。
また、私はバーブレス派ですので全てのルアー用フックの返しはペンチで潰すようにしています。
そこまで考慮して最もバレにくい形状であるサザンバトルを選びました。

ちなみに強度はどのくらいあるのか気になるところだと思います。
とりあえず、家にある最も太いラインを結んで破壊を試みましたが、40lbや50lb程度では到底無理な強度を持っていました。
今回作成したフックで最も弱い箇所はシーブレイドの55lbです。
自身の求める強さに応じて調節してください。
既製品のシングルフックやトレブルフックを買うより随分コストカット出来ます。

例:フィードポッパー120にサザンバトル16号

例:フィードポッパー150にサザンバトル22号
それではまた。



最後までお付合いありがとうございました。
わかりやすい記事作りが出来るよう今後も精進してまいります。
ルアーフィッシングで一般的なのはトレブルフックです。
一方、一部の人たちが好んで使用するのがシングルフック。
分かりやすい違いとしては、魚の口の中だけでなく顔周りにもフックが絡み付くように刺さるトレブルフックと、一度フッキングが決まれば伸び難くバラシが少ないシングルフックと言う感じで釣り人が求める性能に応じて使い分ける事になります。
基本的には強度を求める人がシングルフックを好んで使用する傾向にあります。
針先が3つ付いているトレブルフックと比べると針先はひとつですが、サイズを大きく出来るためフック自体が非常に強く、またフッキングに必要な力は常に針先一つ分で足ります。
そもそもなぜフックが伸びてしまうのかと言うとそれはほとんどの場合、掛かった魚が大きかったからではないのです。
フックがしっかりと貫通していない事が原因です。
バラシが多くなる理由もこの貫通が関係しています。
フックはきちんと貫通してくれないとその機能を100%発揮できません。
また最近では魚へのダメージ、釣り人への安全性を考慮してシングルフックが選ばれる事も多くなってきました。
渓流や管理釣り場のトラウトフィッシングでは主流であると言っても良いでしょう。
今回は、おそらく多くの方が実際に行っているシングルフックの作り方を解説したいと思います。
バイスやスレッド等のツールを使用せず、ハサミと必要な材料のみで作成する方法です。
シングルフックを自作するメリットとしては、コストカット、フックサイズなどの自由な調節、気軽に交換出来ることが挙げられます。
特に「トレブルフックは高いから研ぎながら長持ちさせよう」とか「ちょっと針先が甘くなってきたかな?」と言う場合に迷わず新品に交換出来る事が魚と出会う確率を上げてくれるのです。
簡単に作れて強度も十分に出るため、シングルフックデビューを考えている方の参考になれば幸いです。
材料
必要な物はたったこれだけです。
サザンバトルは沖縄の大型魚を釣るための餌釣り用の管付きフックで、最小の16号から26号まで幅広くルアーフィッシングに流用可能です。
フック形状、太さを考えるとこれほど最適なフックもないように思えます。
シーバスだけならもう少し強度を落とした真鯛用の管付きフックで良いでしょう。
今回は例として19号を使用しました。

この絶妙な内向きの角度が貫通力を高め、バラシを軽減してくれます。
余計なひねりも入っておらず、私が求めるフックの要素を全て備えた製品でした。

フッ素加工モデルとケイムラモデルは個人の好みで選ぶと良いです。
シーブレイドはアシストフック作りの定番シーハンターの名称が変更された商品です。
超巨大な魚を狙うのでない限り、例えばショアからシーバスや5キロクラスの青物を中心に狙うのであれば8号が一番使いやすいです。
まず切れるものではないので結びやすい細い号数がオススメです。
また、シーブレイド(シーハンター)にはレッドとブルーの2色が存在しますが、レッドは絡みを抑える硬めのタイプ、ブルーはしなやかなタイプとなっています。
ソリッドリングはフックのアイに相当する部分を作るために使用します。
こちらも金属を引きちぎる事はまず不可能ですから大きな物よりは小さい物の方が作成が楽です。
今回はWAOのSSサイズを使用しています(オーナーで言うところの3.5号)。

ソリッドリングが破壊されるとすれば捻れた時くらいだと思います。
その捻れに柔軟に対応してくれるアシストラインとの組み合わせが破損のリスクを抑えてくれます。
熱収縮チューブは釣り用のアイテムがお湯をかけるだけで綺麗に縮んでくれるので使いやすいです。
ドライヤーやライターで炙ると熱によりシーブレイドの強度低下の可能性がありますが、お湯は100度までと温度が安定していて無難です。
オーナーの3mmから5mmまで使ってみたところ5mmが一番使えました。
後はシーブレイドをカット出来るハサミがあれば準備完了です。
作成方法

準備が整ったらシングルフック作りに移ります。
今回はK2RP122用のフック作成です。

まずはシーブレイドを適当に引き出します。

先端を折り曲げます。
長さは適当で良いですが、3センチ程度を目安に考えてください。

ソリッドリングに通します。

ソリッドリングを摘んでシーブレイドの輪の中を通すように引っ張り出します。

こうなれば成功です。
最初は分かりにくいかもしれませんが、触っている内に「なるほど、こうするのか」と理解できると思います。

ソリッドリングから15センチ、20センチほどのところでシーブレイドをカットします。

ここで結び目がズレる事を防止する意味で短い糸に対してハーフヒッチを1回決めておきます。
PE系のラインは熱に弱いため、一気にギュッと締めるのはやめましょう。
指で摘んで少し引っ張る程度で十分です。

ハーフヒッチをしたらリングに対して糸が写真のように綺麗に左右に分かれるように軽く絞めます。
今回はシングルフック用に一方を長く、もう一方を短くしていますが、ツインフックの場合はどちらも同じように長めにしてそれぞれにフックを結べば良いです。

フックに短い方を通します。

次に長い方を反対側から通します。
シングルフックのアイの向きや位置を決める重要な作業となります。

糸を引っ張り最適だと思う位置が決まったら、ここからハーフヒッチを行います。

通常、管付きフックは外かけ結びなどを使用しますが、ソリッドリングとフックの間の無駄なスペースをなくすためにハーフヒッチのみで仕上げます。

一度だけハーフヒッチをした状態です。
再度、ソリッドリングの位置などを確認して微調整します。


私の場合はハーフヒッチを計10回行います。
また、ハーフヒッチはフックの手前側から回したり、奥側から回して交互に決めた方が仕上がりが綺麗になります。

ハーフヒッチ10回が終わりました。
プラグ用シングルフックには必須のアイの向きも完璧に仕上がっています。

ハーフヒッチを交互に行うことで結び目が一直線に並びます。

余った糸を切り落として一応完成となります。
このままでも使用可能ですが、せっかくなので解け防止と保護を兼ねてチューブを被せます。

赤い糸が見えているところは全て覆うようにチューブをカットします。
ギリギリを狙うよりは少々長くても問題はないのでスパッと切りましょう。

5mmを選ぶ事でチューブをアイ側から被せられます。
3mmや4mmだと針先から入れる事になり、難易度が高い上に指に刺さるリスクがあります。

赤い糸がしっかりとチューブ内に収まっている事を確認します。

本来はまとめて10本、20本を一度に処理出来ますが、今回は作成した1本だけをお湯を入れても大丈夫な器に入れます。

ぬるま湯ではなく、熱々のお湯を注ぐとギュッとチューブが縮みます。
熱に弱いのでは?と思った方もいると思います。
シーブレイドの耐熱温度がどのくらいなのか不明ですが、一般的なPEラインは150度前後となっています。
お湯なら100度ですから全く問題はありません。

これでシングルフックが一つ完成しました。
お湯をかけるのはまとめて行えるので一つずつ処理する必要はありません。
大量生産にも向いています。
取り付けてみる

K2RP122にセットしてみました。
取り付けしたいルアーに合わせてフックサイズを選ぶのですが、サザンバトルはサイズが豊富なので様々なルアーに対応可能です。

取り付けた際に前後のフックが絡まない事。

背中にフックが引っ掛らない事を確認しましょう。
フック同士が絡まず、背中に引っ掛らない範囲で最も大きいフックがベストセッティングとなります。
また、私はバーブレス派ですので全てのルアー用フックの返しはペンチで潰すようにしています。
そこまで考慮して最もバレにくい形状であるサザンバトルを選びました。

ちなみに強度はどのくらいあるのか気になるところだと思います。
とりあえず、家にある最も太いラインを結んで破壊を試みましたが、40lbや50lb程度では到底無理な強度を持っていました。
今回作成したフックで最も弱い箇所はシーブレイドの55lbです。
自身の求める強さに応じて調節してください。
既製品のシングルフックやトレブルフックを買うより随分コストカット出来ます。

例:フィードポッパー120にサザンバトル16号

例:フィードポッパー150にサザンバトル22号
それではまた。


最後までお付合いありがとうございました。
わかりやすい記事作りが出来るよう今後も精進してまいります。
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